金色堂の仏像、3カ月ぶりに中尊寺に 仏の実体を迎え入れる「開眼」 朝日新聞社 によるストーリー • 19 時間

元の位置に戻された金色堂諸仏=24日、岩手県平泉町、三浦英之撮影© 朝日新聞社

 中尊寺金色堂岩手県平泉町)の建立900年を記念し、東京国立博物館で特別展示されていた仏像が元の場所に戻され、同堂で24日、「諸仏還座開眼(しょぶつげんざかいげん)法要」が行われた。

諸仏に祈りを捧げる僧侶ら=24日、岩手県平泉町の中尊寺金色堂、三浦英之撮影

 金色堂は、藤原清衡(きよひら)(1056~1128)によって建立された東北地方で現存する最古の建造物。天治元(1124)年の上棟から今年で900年を迎える。

 金色堂内には三つの須弥壇(しゅみだん)があり、内部の棺にはいまも遺体が納められている。中央壇の内部の棺に眠っているのは、金色堂を建立した藤原清衡とされる。東京国立博物館では、この中央壇の国宝の仏像11体が展示されていた。

 仏像は昨夜、元の位置に無事戻され、24日朝、仏像に仏の実体を迎え入れる「開眼」が行われた。

 同寺の菅原光聴・執事長は「金色堂の仏様には3カ月近く東京にお出まし頂き、多くの人に平泉の浄土を感じて頂けた」と感謝した上で、「(東京での展示中は)金色堂内がいつもと違ってさびしい感じがした。今度は私たちが平泉の地で平和の祈りを伝えていきたい」と述べた。(三浦英之)